YJ(ヨシモトジャンプ)インタビュー 4週連続企画vol.1

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撮影:川上優

ヨシモト×YJの四週間!!
トップバッターは人気急上昇中! グリーンでクリーンな上方王道漫才師・トット!! 笑いに懸ける情熱から漫画愛までの直球赤裸々インタビュー!!

 

トット

多田智佑(ただともひろ)
生年月日:1986年01月09日
出身地:大阪府

桑原雅人(くわはらまさと)
生年月日:1985年07月20日
出身地:大阪府

所属:よしもとクリエイティブ・エージェンシー

 

―お二人の出会ったきっかけを教えてください。

桑原 高校の同級生なんです。

多田 席が隣やったんです、最初のクラスの。

桑原 多田ちゃんはちょっとヤンキーというか。当時は、学校が髪を染めたりしてもよかったので、ちょっと金髪っぽい感じでした。

―1年生の時から?

多田 そうですね。

桑原 出会ったときから。悪っ!みたいな。

多田 桑原は、何か真面目でしたね。僕が授業中寝てて、隣で真面目に授業受けてて、手挙げるから、先生が当てるじゃないですか。で、隣のやつパッと見たら寝てるから、「おい、桑原、そいつ起こせ」みたいになって、「ちょっとあんま授業中、手挙げんといてくれへん?」って言ったのは覚えてます。

―逆に、そんなに立ち位置が違うと、席が隣じゃなかったら仲よくならなかったのかもしれませんね。

多田 それはあるかもしれないですね。休み時間に色々話しかけてきて、下の名前が分からへんから、「何ていう名前なん?」って聞いたら、ペン持ってて、ノートも開いてたんですけど、空に〝雅人?って書き出したんですよ。で、「いや、ノートに書けや」って言ったんです。それきっかけですかね、喋るようになったのは。

―もう突っ込んでた。

桑原 もう突っ込んでました。僕は真面目だったので、チャラい、おしゃれな雰囲気に憧れてたんですよね。

多田 僕やったら、こんな隣の人にガンガン話しかけへんけどなっていう、その不思議さはありましたね。

―お笑い芸人には当時、すでになりたかったんですか?

桑原 めっちゃなりたかったです、僕は。もう本当に全部録画してたんで、お笑い番組。で、M-1ですね。完全にわーってなりましたね。

多田 そうですね。衝撃的でしたね。漫才で一千万貰えんねやっていうのが。ただ僕は、大阪なんで、土曜日は新喜劇見るとか、当時ネタ番組多かったので、テレビついてたら見てましたけど、芸人になりたいとか思ったことなくて。

桑原 僕はもう、大学行くか、お笑い芸人なるかだったので。

多田 文化祭で漫才をやったんですよ。

桑原 一緒にやろうよって。

―その時はネタは桑原さんが?

桑原 そうですね、考えてました。

多田 何かそれくらいの時期からお笑いの道に行きたそうな空気がプンプンに出てたんですよ、ずっと。それで、「一緒に行かへん?」って言ってきたんで、「うわ、言ってきた!」と思って。やりたいこともないし、一回行ってみるかってなった感じですね。

桑原 多田ちゃんはびっくりされてましたね、周りに。

多田 同級生に「桑はええけど、おまえはやめとけ」って言われました笑。

桑原 「面白いとこ見たことない」って。

多田 親父にも言われました、「おまえに何ができんねん」って笑。

―M-1って話もありましたが、お二人は漫才師というイメージが世間的にあると思うんですが漫才に対するこだわりや、自分達の芸風について何か考えていることってありますか?

桑原 同級生なので、普段の感じがいかに出るかは意識してます。台本は書かないんです。

―そうなんですか。

多田 桑原がなんとなしの感じだけ決めてきて、ちょっと立って二十分とか喋って、削るみたいな。だから「あのネタ久しぶりにやろうか」ってなったときは、台本残してないんで、何やったっけってなりますね笑。

桑原 そっちの方が面白いんです。考えてやったりもするんですけど、何か下手なんですよ。めっちゃ漫才下手なんすよ。

多田 そうっすね。

桑原 喋って、ふざけて、二人で笑ったりしたとこは、やっぱ良いんですよね。だからわざと舞台で要らんこと言ったりするんですよ、こいつに。どうするかなと思って。あと、所謂きついツッコミはないですね。多田ちゃんが特に似合わない。普段、嫌なこと言わないんで。

多田 よくありますやん、いわゆる、頭どついて「何でやねん」って。何かそれが言えないです。

桑原 バリバリのな、ツッコミ。

多田 そう、関西人のツッコミのイメージって多分そういうんやと思うんですけど、言えないんですよ。それもやっぱり要るかなと思って、やってた時期もあったんですけど、そこでは勝てないなと思って。

桑原 もう二人の普段の感じを出そうかっていう。

―なるほど。コンビって、あまり話さなくなるっていう勝手なイメージがあるんですが、普段からよく二人で話されるんですか?

桑原 僕らは喋りますね。

多田 楽屋おったら喋りますし、飯一緒に行ったりもしますね。

桑原 結構、無邪気なんですよね、多田ちゃんが。「昨日こんなことあってさ」みたいなことを話してくるから。

多田 僕、笑い飯の西田さんによく連れていっていただくんですけど、高校の時M-1で、すっごい人出てきたって二人でなってた人と、ご飯行ったやんとか思うたら、あの頃の感覚になってるんやと思う。

桑原 わかる。

多田 「西田さんこんなこと言うててな」とか、テレビで見た西田さんの話を二人でしてるような感覚になってると思うんですよ。

―それが、今の芸風と繋がっているということですね。

桑原 でも、それしかできへんな。めっちゃ下手なんですよ、本当。すごい下手やな。

多田 むっちゃ下手ですよ。

―いやいやいや笑。

多田 番組で作家さんが書いてくれた漫才とかやる時あるんですけど。まじ下手っす笑。

桑原 うまい人もいるんです、そういうのが。

多田 そう。めっちゃうまい人いるんです。誰かが書いたものを自分達のものとして、本来はできなあかんと思うんですけど、まあ下手ですね。

―それが余計に唯一無二感というか。

桑原 なったら良いなと思ってますけどね。

―スーツはどうして緑にしたのでしょうか?

桑原 グリーン車に乗れるタレントになりたいとか、目に優しいとか、色々言ってるんですけど、ほんまはコンビでいない色を探したんです。ずっと漫才賞とか獲れなくて、どうしよって凄い考えて、例えば何十組も出るような予選の時に、見た目に特徴がある人がパーって出てきたら、もうお客さんが「おっ」て見てくれるんですよね。で、いかにお客さんに印象づけるかを考えて、被らない色を探しました。だから、すごい思い入れはあります。そこから賞貰えたりとか色んなことが変わっていったんで。

―漫画についての話を、させて頂きたいなと思います。ヤンジャンって読まれますか?

桑原 毎週読んでますよ。

―ありがとうございます。最近好きな連載ってありますか。

桑原 僕『魔風が吹く』が凄い気になる。これからどうなんねやろって。『キングダム』もほんとにね、もうね、大好きですよ。僕、ほんとにページがめくれなかったんですよ、蒙武と汗明が戦うとこで。蒙武がちょっと意識失って、超えれない壁に感じるぞって…。その手前のページでちょっとステイしまして。これはちょっと、えらいことなってると。で、めくったらもう、あーって笑。

―今回、お好きな漫画を挙げていただいて、桑原さんが『レベルE』、多田さんが『真島クンすっとばす!!』をお好きだということで。

多田 初めて買った漫画ですね。家が厳しくて漫画とかゲームを、買ったらあかんというか。でも、ばあちゃんち行ったら、親戚のおっちゃんが、ジャンプとサンデーとマガジンを買ってて、ばあちゃんちに置いてたんで、月に一回ぐらい行って、その三冊は読んでました。で、『真島クンすっとばす!!』がめっちゃ好きになって。お小遣いを三日で五十円くらい小三から貰い出したんで、それを貯めて、こそっと買ってみたいなんをやってました。買ったって言ったら怒られるんちゃうかなと思いながらコソコソと笑。小学校の中学年ぐらいやったと思うんで、喧嘩強い男がかっこいいみたいに思っていたと思います。だから、一回「髪、緑に染めていい?」っておかんに聞いたことありますよ。「はあ?」って言われて。

桑原 緑。

多田 たまたまね、そうなってますけど笑。同級生でも、『真島クンすっとばす!!』めっちゃ好きな友達おったから、放課後、教室で黒板に緑のチョークでうわー書いて、それ消して、粉を頭にパンパンパンパンやって緑にして遊んだりとかはしてましたね。

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―すごく良い思い出ですね!桑原さんは『レベルE』のどこを好きになったんでしょうか?

桑原 最初は、文字多いんで、よくわからない感じだったんですけど。何なんすかね、敵がバンって出てきて戦ってみたいな感じじゃないんですよね。どんでん返しがあって、あっ、こっちにいくんやって驚かされてましたね。僕が思ってる何となくの、漫画ってこういうもんやっていうのを、ひっくり返された感じがあって、それがすっごい面白かったですね。

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―芸人さんとして、漫画家や漫画との共通点を感じるところがあれば是非教えて頂きたいです。

桑原 僕、コントの方が似てるなと思うんですけど、漫画って。漫才は、小説っぽいんですけど、でも、言っちゃえば、どうやって乗らすかですかね。同じ題材でも、めっちゃ入り込んで熱くなるのと、まあまあまあって冷静に見られちゃうのってあるじゃないですか。何かそこの熱く乗らせるその魅力みたいなんは、凄い似てるなと思いますね。言うたって、漫才ってずっと立ち話なんで、どうでもいいことを喋ってる。で、どうでもいいと思われた瞬間に、もう面白くない。何てことないこと言ってんのに、めっちゃ面白いって思わせる、感じさせるって、凄い大事なとこやなと思って。

―漫画で言えば主人公がやってることに興味なくなっちゃったらもう読まないのと似てますね。

桑原 そうなんですよ。どうやって共感してもらうかとか、それ凄い似てるなと思います。だからジャンプの漫画家さんへのアドバイスとか作者インタビューとかめっちゃ読んでます。あ、こうやって漫画作んねやと。全然関係ないんですけど、何かヒントに…。

―多田さんは何かありますか。

多田 次どうなんねやろって思わせるのんて、多分、ネタでいうとフリと一緒やと思うんすよ。緊張感を生むじゃないですか、ページめくる時の。そこのドキドキ感とか、見せ方が大事やと思う。そういうのは、何か緊張と緩和で似てるんかなとか思ったりはしますね。

桑原 説明しちゃだめなんですよね。表現しないとだめなんですよ。そこ、すごい重要だと思います。言ったらあかんと思いますね。

―最後に大笑いさせるために、序盤にこうやっといたことが、後で生きるための……。

多田 印象づけってことっすよね。

桑原 僕、想像とか空想とか変なとこからネタ考えたりとかめっちゃ多いんで、それは漫画で養った部分がめっちゃありますね。

―ありがとうございます。これからもYJを読んでいただけると…。最後に、今後の軽く目標というか、自分こうなっていきたいなみたいなことだけお聞かせいただければ。

多田 M-1出たいっすね。

桑原 M-1優勝?

多田 M-1獲りたいですね。

桑原 したいな。

多田 やっぱりあこがれますね。M-1だけが全てじゃないよって、いろんな先輩方とかから聞くんですけど、やっぱそれ見て憧れたんで。

桑原 決勝行ってから言いたいな。

多田 あの舞台に早く立ちたい、ここで漫才したいっていうのはありますね。

桑原 漫画出たいというのもあります。たまにあるじゃないですか。モデルになって。

 

多田 ああ、ある。

桑原 『HUNTER×HUNTER』のプーハットとかシャンプーハットさんですよね。

多田 へえー。そうなんや。

桑原 それは憧れですし、夢ではありますね。

―ありがとうございました!

 

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2009年コンビ結成、関西で数々の受賞歴を誇るイケメン自然派コンビ!

<経歴>
2016年 『平成28年度 NHK新人お笑い大賞』大賞受賞
2017年 『第52回上方漫才大賞』新人賞受賞
2018年 『第3回上方漫才協会大賞』大賞受賞

 

プロモーション情報

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